東京都が低所得層を対象に無料配布したお米がフリマサイトで多数出品されていることが報じられました。このお米は「転売禁止」とコメ袋に表示されていましたが、出品時の写真では多くが塗りつぶされたりしていました。
なぜこのような事態がおこったのでしょうか?この記事では「今回の制度の内容」や「制度が失敗した理由」を独自に調べてみました。
「東京おこめクーポン事業」とはどんな制度?
東京おこめクーポン事業の概要
東京都が住民税が非課税の低所得世帯向けにお米を無料配布。今年の2月末から「東京おこめクーポン」を配り、米25キロかそれに相当する食品のどちらか選んで受け取れるという取組みです。
目的
物価が高騰しているため都民で生活が苦しくなっている世帯も多い。それらの世帯の暮らしの安定につなあげるため。
対象世帯
(1)令和4年度住民税非課税世帯
(2)家計急変世帯
令和4年に予期せず収入が減少して、「世帯員全員の年間収入見込み額」または「年間所得見込み額」が住民税非課税相当となった世帯で174万世帯が対象となったようです。
時期
今年2月茉から対象世帯に書面が郵送され9月末まで食料の配送が行われる予定
コース(全9コース)
1 お米25kg(2回配送)コース
1回目お米10kg 2回目お米15kg
2 お米25kg(3回配送)コース
1回目お米10kg 2回目10kg 3回目5kg
3 お米15kgとカット野菜(水煮)パックコース
1回目お米15kg 2回目カット野菜(水煮)8パック
4 お米15kgと飲料(緑茶)パックコース
1回目お米15kg 2回目緑茶パック1箱
5 お米15kgと果実飲料等コース
1回目お米15kgと果実飲料等1箱
6 飲料(緑茶)とパックごはんコース
1回目飲料緑茶1箱 2回目パックごはん(30食入り)
7 うどん(乾麺)と飲料(緑茶)と飲料(麦茶)コース
1回目うどん(乾麺) 2回目(麦茶)1箱 3回目(緑茶)1箱
8 飲料(緑茶)と飲料(麦茶)と果実飲料等コース
1回目飲料(緑茶)1箱 2回目飲料(麦茶)1箱 3回目果実飲料等(1種類)1箱
9 お米15kgと東京都産野菜コース
1回目お米15kg 2回目東京都産野菜1箱
「物価等々の中都民の生活を安定させたい」という発想は悪くないと思います。ただ都民の願いも一律ではないので押し付けになっていなかったが気になりました。
「東京おこめクーポン事業」が失敗した理由①
実際お米以外のコースや、食品・飲料と組み合わせたコースは早々と無くなりお米だけのコースが
多く残ってしまっためと思われます。
実際東京都は、JA全農と契約していました。お米は十分用意していたがほかの飲料などは在庫が十分ではなかったのでしょう。
以下は対象となった方々のコメントです。
・お茶の飲み物が良かったけれど、すでに予定終了でお米のコースしか残っていなかった。
・パックご飯や乾麺、野菜パックを申し込みたかったがすでに品切れしていた。
・米以外のレトルト野菜、飲料の組み合わせが良かったが、申し込み時になくなっていた。
仕方なくお米コースにしたが、正直15kgのお米処理に困っている。
私の母親にも連絡が来ましたが、調理が簡単な「パックごはん(30食)を申し込んだところ「在庫がない、残っているのがお米だけ」と言われ仕方なくお米だけコースを申し込んだそうです。
おそらく東京都はお米を配りたかったんでしょうね。でも飲料や食品コースも用意しているなら
そちらの在庫も十分確保してほしかったと思います。
「東京おこめクーポン事業」が失敗した理由②
やはりお米より現金のほうが良かったからと思われます。
今回のお米は国産のブランド米で、ネット通販やスーパー等で5キロ1500円で販売されています。そうすると25kgで(1500円×6)9000円になります。
であればお米よりも「現金1万円のほうがありがたい」と思う人は少なくないでしょう。私も「お米25kgと現金とちらかもらえる」となれば1万円が欲しいです。
またお米を10kgや15kg一度にもらってもお一人で生活している人には、置き場所も含めて困った人が多かったのではないか?と思われます。
まとめ
この記事では都が住民税非課税世帯向けに実施した「東京おこめクーポン事業」の内容や、この事業が失敗した理由をリサーチしてみました。
都民の生活を守るという発想は良かったと思いますが、コースの在庫が十分でなかったことや、現金支給のほうがありがたかった世帯が多かったこと、お米だけ25kgもらっても処理に困るという事情があったと思われます。
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